ANBOUNDジャパンセレクション(2025年4月)
ANBOUNDジャパンプラクティス

4月初、米政権の関税措置は為替·株式相場のストレスであった。その後、投資家は資産リバランスを余儀なくされ、米債·米株は例外にならずに処分され、国際金融市場は調整された。中国株式·人民元相場は下落したものの、中国当局の政策対応の前倒しが意識され、東京に比べて上海の株式相場の下落は限定され、対米ドルの人民元安は中国輸出企業にとって米関税ストレスのクッションになった。
グローバルな企業と投資家は短期的な株式·為替相場対応に加え、中長期的な事業戦略の検討を急がされた。具体的には、グローバル化の揺り戻し、保護主義的な事業環境を前提に、①米関税措置に対応したサプライチェーンや代替的な対応の具体化、②売却処分一巡後の事業資産ポートフォリオの再配分が急務になった。
先行き、米政府の関税引き上げは想定シナリオながら、現実的には、グローバルな物流や貿易の変化は投資フローの変化として二次的に影響が現れるであろう。中国に限らず、①「内需」の重要さが増し、②生産と消費は一体的になり、「地産地消」、「密接生産」が意識されるであろう。③都市再生、地域別の役割·すみ分けは一段と明らかになるであろう。いずれも3月全人代に提示された政策課題が具体化していくであろう。先行き、米関税ショックに対応した中国当局の政策実行スピード感と内容はグローバルに耳目を集めるに違いない。
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